よく、「この前買った商品は当たりだった。」とか、「あの商品はハズレだからやめた方がいいよ。」と、
言う声をよく耳にします。
確かに、良い作品・悪い作品はあると思いますが、僕にはこの声が、
「この商品は、私には上手に演じることが出来ない。」あるいは、
「この商品なら適当に見せても何とかなるぞ。」と、いうふうに聞こえてしまうのです。
最近は、映像文化が発達して、取扱説明書もDVDだったりします。
文字だけの取扱説明書だと、全然読まないで商品を使用しようとする人もいます。
輸入品のDVDの場合、解説が英語であったりしますので、語学が堪能でないと
考案者の意図が、細部まで理解できないということが多々あります。
映像文化の発達というのは、知らないうちに我々から想像力と理解力を奪っているのです。
マジックを上手に演じるために、最も必要な事とは何でしょうか?
僕は、「理解力」だと思います。その作品を、どれだけ理解しているかが演技を左右します。
その作品を理解するするためには、その作品を完全に習得する必要があります。
ここでいう完全に習得するというのは、演技中にストップと、言われた時の状態が把握出来るということです。
たとえば、カードマジックで言うと、演技中にストップと言われた時、
「右手のデックは、上から2枚目が表向き(客のカード)で、左手のパケットは、4枚上から裏向きHK→
表向きSA→裏向きDK→裏向きHA、テーブルの上に裏向きの予言のカードD3があります。」
のように答えられるということです。
これは、かなり難しいことです。本当に作品を理解していないと、答えられないことでしょう。
歌で言うと、歌詞を完全に覚えていないのに 「歌が上手に歌えない。」 と、言うのに似ています。
では、どうすればこんなことが出来ると思いますか?
沢山練習をして、その作品を完全に習得すればいいのです。
話を戻してみます。
「この前買った商品は当たりだった。」とか、「あの商品はハズレだからやめた方がいいよ。」と、
言っている人の中の、どれだけの人がその作品を理解しているのでしょうか?
そうなんです、その作品を理解さえしていないと、言うよりは、その作品を理解する前にそんなことを
いっているのです。
皆さん、ハズレの作品はありません。(作りの粗悪・粗雑な商品はありますが。)
その作品をハズレにしている要因の多くは、あなた自身にあるということを頭の隅においておいて下さい。 |
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